妊娠中の百日咳ワクチン接種時期の変更
英国において、妊娠中の百日咳ワクチン接種時期が変更となりました。
妊娠中の百日咳に関して、以下Q&Aでまとめてみました。
Q: 百日咳ってどんな病気ですか?
A: 百日咳 (英語ではPertussis, Whooping Coughと呼ばれます) は、細菌によって引き起こされる感染性の強い病気です。
咳が長く続くことにより、息苦しくなったり呼吸困難が起こります。
その他、発熱、鼻水や激しい咳の後に吐いてしまうなどの症状が見られます。
Q: どうして妊婦に百日咳ワクチンの接種を勧められるようになったのですか?
A: 数年前、イギリスの保健機関から、百日咳による乳児の死亡が英国内で急激に増えているとの報告がありました。
妊娠中に母親にワクチンを接種することで、胎児に対する免疫をつけることができます。
これにより、ワクチンの予防接種が始まる2ヵ月までの乳児を感染から守れるようになるからです。
Q: 乳児が百日咳にかかるとどうなるのですか?
A: 百日咳は悪化すると肺炎を起こしたり、呼吸困難から脳に後遺症をおこすこともあります。
たいていの乳児は入院治療が必要になります。
Q: どのタイミングでワクチンを接種するのですか?
A: 当初、妊娠28-32週位に接種されていましたが、
最近、妊娠20週(時に16週)以降に接種可能と接種時期が拡がりました。
ワクチンを接種した後に、お母さんの身体で百日咳菌に対して作られる抗体(免疫をつけるもの)ができるまでの期間を考慮して、この期間に接種することが勧められています。
残念ながら、現在、当院やポートランド病院などのプライベート病院では、本ワクチンが入手不可となっており、
GPでの接種が必要となっています。