英国・グリーン通信


2021年1月 8日 (金)

コロナウイルスワクチンUK

2021年1月8日現在イギリスでは3度目のNational Lockdownにより感染増加を食い止めるべく皆さんが我慢の時を過ごされております。これと併せ、3種類目のコロナウイルスワクチンが認可され、一刻も早く全国民及び居住者にワクチンを接種する取り組みが進められております。

このコロナウイルスに関する情報は適宜更新され、詳細に関しては以下より確認可能ですので、是非御確認下さい。

https://www.nhs.uk/conditions/coronavirus-covid-19/coronavirus-vaccination/coronavirus-vaccine/

尚、現在のところ弊院を含むプライベート医療機関におけるコロナウイルスワクチン扱いの見込みはございませんので予めご了承下さい。新規情報が得られました際には弊院ホームページにおいてお知らせ致します。

2019年9月 5日 (木)

子宮頸がんとヒトパピローマウイルス(HPV),そしてHPVワクチンについて その3

HPVワクチンは日本、イギリス両国でワクチンスケジュールに組み込まれており、定期接種の一つとなっております。

日本国内で承認されている2価と4価のHPVワクチンはいずれもHPV16型、18型という2型のハイリスクHPVが感染するのを予防します。日本国内では未承認ですが、9価(2つの型のローリスクHPVと7つの型のハイリスクHPV)ワクチンも安全性と有効性が認められ、イギリスやアメリカなどでは認可されております。これが普及すれば、子宮頸がんの90%が予防可能になると期待されております。

HPVワクチンの長期HPV感染予防効果は現在も研究が続いており、現在のところ投与後約10年以上のHPV感染予防効果は確認されています。20年、30年後のデータはまだありませんが、理論的には長期間の効果が期待されることが推計されております。

接種推奨年齢;HPVワクチンはHPVの感染予防を目的としており、すでに感染した細胞からHPVを排除する効果は認められません。そのため、HPVに感染する可能性が低い10代での接種が推奨されており、英国での推奨年齢は9-26歳となっています。日本では10-14歳を最優先とし、15-26歳をその次に推奨しています。

接種方法と回数;英国では9-15歳以下では2回接種(初回と6-24ヶ月以内での2回)、15-26歳では3回接種(初回、2ヵ月後、6ヵ月後での3回)となっています。日本では全年齢で3回接種となっております。腕または大腿部(ふともも)の筋肉内に接種します。

接種後に注意することは?;一方、HPV ワクチンは筋肉注射であるため、注射部位の一時的な痛みは9 割以上、一過性の発赤や腫れなどの局所症状は約8 割の方に生じます。また、若年女性で注射時の痛みや不安のために失神(迷走神経反射)を起こした事例が頻度は少ないですが報告されているため、接種直後は30 分程度安静にして異常がないことを確認することも重要です。

 

  1. 日本産科婦人科学会 子宮頸がんとHPVワクチンに関する正しい理解のために http://www.jsog.or.jp/uploads/files/jsogpolicy/HPV_Q%26A.pdf
  2. Stanley M, et al: Chapter 12: Prophylactic HPV vaccines: underlying mechanisms. Vaccine 2006; 24 Suppl 3: S3/106-113.
  3. Huh WK, et al: Final efficacy, immunogenicity, and safety analyses of a nine-valent human papillomavirus vaccine in women aged 16-26 years: a randomized, double-blind trial. Lancet. 2017; 390:2143-2159.

2019年8月10日 (土)

溶血連鎖球菌(溶連菌)感染症について

溶連菌感染症と聞くと、唾も飲めなくなるほど喉が痛くなる咽頭炎を想像されることが多いと思いますが、溶連菌(A群溶血性連鎖球菌)は、菌の侵入部位によって様々な症状を引き起こします。最も多い急性咽頭炎の他にも、上気道炎、急性胃腸炎、膿痂疹(とびひ)、蜂巣織炎、猩紅熱(Scarlet fever)、中耳炎、肺炎、化膿性関節炎、骨髄炎、髄膜炎などがあります。また、菌の直接の作用ではなく、感染後の免疫学的機序を介して、リウマチ熱や急性糸球体腎炎を起こすこともあります。

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2019年7月25日 (木)

熱中症にご注意下さい!

熱中症(Heat stroke)にご注意下さい。

 

近日、英国を含め欧州では過去に類をみない猛暑となっています。現地公的機関からも熱中症予防のお知らせが出ていますが、こちらでもお知らせ致します。

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2019年7月17日 (水)

脂肪肝と運動

今回は「脂肪肝と運動」についてご紹介致します。まずは脂肪肝の概要はご存知でしょうか。

 

健康診断などでお腹の超音波検査を受けられたことのある皆さんの中には脂肪肝を指摘されたことのある方も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。「まあ、比較的多くみられる異常所見なので、経過を見ていていいですよ」と説明を受けることもあるかもしれません。「果たして本当に様子を見ていてよいのだろうか?」と疑問を持たれる方もいらっしゃるでしょう。

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2019年6月28日 (金)

子宮頸がんとヒトパピローマウイルス(HPV),そしてHPVワクチンについて その2

子宮頸がんの予防対策として、子宮頚部細胞診による検診が行われ、日本においても子宮頸がんの死亡率の減少に成果をあげてきました。しかしながら近年はその効果も限定的となっており、子宮頸がんの罹患率・死亡率は上昇傾向となっております。

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2019年2月21日 (木)

子宮頸がんとヒトパピローマウイルス(HPV),そしてHPVワクチンについて その1

子宮頸がんとは、子宮の入り口付近(子宮頸部)から発生するがんで、日本においては年間約1万人が罹患し、この病気が原因で毎年約2900名が死亡しているといわれております。特に罹患者、死亡者数ともに近年増加傾向を示しているのに加え、年代別罹患率は年次推移とともに若年化の傾向を示しており、最近では20-40歳前半に増加傾向を示しているのが日本における子宮頸がんの特徴で、非常に重大かつ重要な問題です。

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2018年10月29日 (月)

「運動しましょう」というのは簡単ですが、、、

体重が増えた、おなか周りが太くなった、ヘモグロビンA1cが上昇した、血圧が高くなってきた、コレステロールが高い、中性脂肪が高い、脂肪肝がみられる、肩が凝る、腰が痛いなど、様々な要因で「適度な運動をしましょう」と医療機関や会社の健康管理室でアドバイスを受けた経験のある方は、少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。私達、医療関係者はかなりの頻度でそのようにお話する機会があります。しかし、「言うのは簡単ですが、なかなかお仕事などで時間をとるのが難しいですよね」と付け加えることが多いのも事実です。もちろん食事のとり方が更に重要であることは言うまでもありませんが、ここでは、いわゆる健康を取り戻すため、もしくは増進するための運動について、ご案内したいと思います。皆様の運動に関する学術的な根拠に基づいた情報源として添付のWebsiteなどをご覧になるのも宜しいかもしれません。

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2018年5月27日 (日)

はしか(麻疹)についてのお知らせ

日本では今年麻疹の報告数が増え、今年2018年は5月16日現在で149人の発生が報告され、注意喚起がなされています。イギリスでも2018年1月1日から5月9日までに440人の麻疹が報告されており、公的医療機関であるNHSは2回の予防接種を勧めています。

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2016年12月 9日 (金)

インフルエンザワクチンについて

皆さんが一般的にイギリスで受けられているインフルエンザワクチンについてのご案内です。

「イギリスでもインフルエンザは流行るのでしょうか?」「イギリスではインフルエンザにかかったら何日くらい休むのでしょうか?」などというご質問を頂くこともありますが、今回は、「日本とイギリスはワクチンが異なるでしょうか?」というご質問の答えとなります。

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