最新情報


« 【プレママ・プレパパのためのはぐくみ教室】11月開催のおしらせ | メイン | 年末年始 診療時間のお知らせ »

2019年10月18日 (金)

子宮頸がんとヒトパピローマウイルス(HPV),そしてHPVワクチンについて その4

欧米の多くの国々では2006 年〜2008 年に9〜13 歳(国によって異なる)の女児を対象としたHPV ワクチンの定期接種プログラムが開始されました。また、オーストラリア・米国などでは男児への定期接種も開始されています。イギリスでも2019年より12-13歳の男児への定期接種が開始されます。

オーストラリア・イギリス・米国・北欧などの国々では、すでにワクチン接種世代において16型・18型のHPV感染率の劇的な減少が示されています。たとえば接種率が90%におよぶスコットランドでは、20代女性のHPV 感染率は接種者では4.5%であり、接種していない集団の感染率30%と比較して大幅に低下しています。

さらに重要なことは、接種率が70%を超えるこれらの国では、導入以前のワクチン未接種世代と比較して、接種世代における子宮頸がんの前がん病変の発生が半数程度まで有意に低下していることが報告されています。子宮頸がんは必ず前がん病変を経て浸潤がんへと進展していくことから、数年後〜十余年後には、これらの国々においては、子宮頸がんそのものが大幅に減少すると推測されています。

日本においてもHPVワクチンの有効性についての研究が報告されてきております。

NIIGATA STUDY(新潟県) では、平成28 年度までに登録完了したワクチン有効性の中間解析において、20〜22 歳におけるHPV16/18 型の感染はワクチン非接種者2.2%(10/459)に比してワクチン接種者0.2%(3/1379)であり、ワクチン接種者で感染率は有意に低く、ワクチンの有効性は90%と高い感染予防効果がある事が示されました。また、OCEAN STUDY(大阪府) や秋田県における平成26~28 年度の20~24 歳女性の子宮頸がん検診データの解析でも同様の結果でした。

このような進行中の研究によって、国内でのHPVワクチンの有効性がさらに示されてくるものと考えられます。

 

  1. Tabrizi SN, et al: Fall in human papillomavirus prevalence following a national vaccination program. J Infect Dis 2012; 206: 1645-1651.
  2. Tabrizi SN, et al: Assessment of herd immunity and cross-protection after a human papillomavirus vaccination programme in Australia: a repeat cross-sectional study. Lancet Infect Dis 2014; 14: 958-66.
  3. Cameron RL, et al: Human papillomavirus prevalence and herd immunity after introduction of vaccination program, Scotland, 2009-2013. Emerg Infect Dis 2016; 22: 56-64.
  4. Berenson AB, et al: Change in human papillomavirus prevalence among U.S. women aged 18-59 years, 2009-2014. Obstet Gynecol 2017; 130: 693-701.
  5. Crowe E, et al: Effectiveness of quadrivalent human papillomavirus vaccine for the prevention of cervical abnormalities: case-control study nested within a population based screening programme in Australia. BMJ 2014; 348: g1458.
  6. Brotherton JM, et al: HPV vaccine impact in Australian women: ready for an HPV-based screening program. Med J Aust 2016; 204: 184-184e1.
  7. Pollock KG, et al: Reduction of low and high-grade cervical abnormalities associated with high uptake of the HPV bivalent vaccine in Scotland. Br J Cancer 2014; 111: 1824-1830.
  8. 日本医療研究開発機構研究費 革新的がん医療実用化研究事業「HPV ワクチンの有効性と安全性の評価のための大規模疫学研究」平成27~28 年度委託研究成果報告書(研究開発代表者:榎本隆之、平成29 年5 月)
  9. Tanaka H, et al. Preventive effect of human papillomavirus vaccination on the development of uterine cervical lesions in young Japanese women. J Obstet Gynaecol Res 2017; 43: 1597-1601.
  10. Ozawa N, et al. Lower incidence of cervical intraepithelial neoplasia among young women with human papillomavirus vaccination in Miyagi, Japan. Tohoku J Exp Med 2017; 243: 329-334.
  11. 日本産科婦人科学会 子宮頸がんとHPVワクチンに関する正しい理解のために http://www.jsog.or.jp/uploads/files/jsogpolicy/HPV_Q%26A.pdf
  12.  

このページのTOPへ

JGH
(C) 2012 Japan Green Medical Centre