仁(ひと)くちコラム


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2012年12月 3日 (月)

無痛分娩について

イギリス国内では、無痛分娩が広く行われています。
日本語で無痛分娩というとき、通常、硬膜外麻酔を意味します。
英語では、Epidural (Epidural analgesia) といいます。
では、英国における無痛分娩の具体的な方法や長短所をみていきましょう。

無痛分娩の流れ

陣痛の間隔が狭まり痛みが強くなってきたら、麻酔を行う場合が多いようです。
腰の皮膚に痛み止め(局所麻酔)を打ちます。
背骨の間に針を刺し、狭い腔(硬膜外腔)まで針を通します。
そこに柔らかくて細いチューブ(カテーテル)を挿入します。
針は取り除き、柔らかいチューブだけ残します。
麻酔薬、鎮痛剤はここから投与することになります。
陣痛はおなかの張りとして実感できるので、普通分娩と同じように陣痛に合わせて自分でいきんで出産します。
赤ちゃんが通る感覚もわかりますよ。
お産が終わっても麻酔が切れるまでには数時間かかります。
カテーテルを取り除くタイミングは個人にによって異なります。

長所:
95%の確率で、痛みを取り除くことができます。
吸引、鉗子分娩や帝王切開が必要なとき、他の痛み止めや全身麻酔を追加する必要がありません。
なお、会陰裂傷や骨盤底筋弛緩(尿漏れの原因となります)の確率は、変わりありません。

短所:
めまいや悪寒が起きることがあります。
分娩第2期(子宮口全開から出産まで)の時間が長くなります。
吸引、鉗子分娩の確率が高くなります。
5人中1人において、一時的に血圧が下がります。
胎児の心拍異常の確率が高くなるため、より厳重な管理が必要になります。
針が深く入りすぎ脊髄液が漏れ出すことがあり(1%)、この場合、2人に1人で激しい頭痛がおこります。

無痛分娩を選択するかどうかの参考になるかと思います。

以下Websiteに、他の疼痛緩和法も記載されていますので、参考にしてください。

http://www.patient.co.uk/doctor/Pain-Relief-in-Labour.htm


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