仁(ひと)くちコラム


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2013年2月18日 (月)

生理の悩みー月経痛 (2)

今回は、子宮内膜症を含めて、月経困難症の治療についてのお話です。

(1) 鎮痛剤
生理痛(月経痛)が強く日常生活に支障を来す場合などに用いられます。
この場合、痛みが強くなる前に早めに服用すると有効です。
英国では、Ibuprofenや Paracetamol などが使われます。
鎮痛剤は痛みを一時的に和らげる効果はありますが、子宮内膜症の進行を抑える効果はありません。

(2) ピル
ピルは通常避妊目的に使用されますが、排卵を抑制することにより、副効果として生理痛を軽くする作用があります。
最も痛いときを10とするとピル内服により痛みが1から2程度に軽くなったという方もいらっしゃいます。
前述の鎮痛剤を併用することも可能です。
月経困難症のみでなく子宮内膜症の生理痛に対しても有効で、また子宮内膜症の進行を抑える効果も報告されています。

(3) ホルモン療法(Gn-RH療法)
Gn-RHアナログ製剤は、脳の中のホルモン中枢に作用し、排卵を抑制し月経を止める働きがあります。
通常このGn-RH剤を6ヶ月間投与(皮下注射または点鼻)すると子宮内膜症が小さくなる効果が期待できます。
しかし、効果が一時的であったり、更年期様症状、高脂血症や骨密度減少などの副作用、治療費用が高額になることが欠点です。
子宮内膜症がなく月経困難症のみの方には、通常使用しません。
なお、日本で使用可能なジェノゲストという別のホルモン剤は、英国ではまだ利用できません。

(4)手術療法
薬では治療困難な子宮内膜症、あるいは妊娠を希望する内膜症の方は、手術療法が考慮されます。
最近ではお腹を切開しなくても腹腔鏡手術 (Key hole surgery) といって内視鏡を見ながら処置する方法が一般的です。
全身麻酔のもと、お腹の中の内膜症を取り除き、あるいは癒着をはがしたり、小さな内膜症ならレーザーで蒸散するなどの処置が可能です。
イギリスでは、日帰り手術が一般的です。

生理痛が強く、鎮痛剤を内服しても日常生活に差し支える場合、一度婦人科専門医に相談することをおすすめします。


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