「運動しましょう」というのは簡単ですが、、、
体重が増えた、おなか周りが太くなった、ヘモグロビンA1cが上昇した、血圧が高くなってきた、コレステロールが高い、中性脂肪が高い、脂肪肝がみられる、肩が凝る、腰が痛いなど、様々な要因で「適度な運動をしましょう」と医療機関や会社の健康管理室でアドバイスを受けた経験のある方は、少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。私達、医療関係者はかなりの頻度でそのようにお話する機会があります。しかし、「言うのは簡単ですが、なかなかお仕事などで時間をとるのが難しいですよね」と付け加えることが多いのも事実です。もちろん食事のとり方が更に重要であることは言うまでもありませんが、ここでは、いわゆる健康を取り戻すため、もしくは増進するための運動について、ご案内したいと思います。皆様の運動に関する学術的な根拠に基づいた情報源として添付のWebsiteなどをご覧になるのも宜しいかもしれません。
今回は「動機付け」についてです。
動機付けに関しては、様々な心理学的アプローチがあるようです。詳細をご確認になりたい方は添付の参考サイトなどをご参照下さい。このコラムでは、実際に診療室で耳にする運動を実践されている皆さんの言葉を紹介致します。「通勤電車をひと駅先から乗るもしくはひと駅前でおりて歩く」といった、できることからできる範囲で始めるというお話は身体活動強度のアップに成功している人の最も一般的な例です。「通勤中の歩行量増加」や「定期的な自宅内の掃除」など、日常生活の中の活動を軽い運動メニューの中に取り入れ、こつこつと小さなことから始めることは、非常に大切です。如何に小さなことであっても、「うまくいっている」と認識しながら、自信をもって進めることが肝心です。「自宅の掃除」などはご家庭にとっても一石二鳥といえます。「ジムに週に3回通っている」とか「○○のマラソンに向けてトレーニングしている」といった、いわゆる「運動家」の言葉が運動のスタンダードだと思って、自分は成功していないと感じる人もおられるかもしれませんが、健康を目指すための運動の「動機付け」を行おうと思っている人は、あくまでもマイペースを保って頂き、小さなことをできる限り長期間続け、徐々にできる範囲を拡大なさると宜しいでしょう。また最近では、数多くの「運動アプリ」がスマートフォンなどで利用できるようになっています。これらをパートナーとしてこつこつ続けていくのも宜しいかもしれません。
急いで「運動家」になる必要はないと思います。数か月単位でステップアップという感じで細く長く進められることをお勧めします。そして、「健康のための運動」を診察室や健康診断で問われた際には、自信をもってお話下さい。
次回は「脂肪肝解消のための運動」をご案内致します。
参照;
長寿科学振興財団 https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/kenkou-zoushin/undou-kouka-gai.html
厚生労働省 健康日本21 https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b2.html#A22
NHS Exercise https://www.nhs.uk/live-well/exercise/free-fitness-ideas/