質問8:アレルギーがあるかどうかを調べるためにどんな検査をしますか?
アレルゲン(アレルギー症状を起こす原因物質)に対する抗体の量を調べる血液検査が、最も手軽に行える検査です。それぞれのアレルゲンに対しての特異的IgE抗体が検出されれば、「感作されている」ということがわかります。感作されているからといって、必ず症状が出るわけではありません。(また、この検査で「感作されていない」という結果が出ても、アレルギーを否定することはできません。)
しかし、ある樹の花粉に感作されていて、その花粉が飛ぶ時期に鼻炎が悪化していれば、その花粉が原因である可能性が高いと言えますし、エビを食べた時に皮膚症状が出ていて、検査でエビに感作されているということであればそれが原因だと考えることができるでしょう。
「アレルゲンかもしれない」と疑っている物がはっきりしない場合は、花粉やホコリ、動物のフケ、カビなどのよくある吸入アレルゲン、あるいは、甲殻類、卵、牛乳、ピーナッツなどのよくある食物アレルゲン、何種類かの魚のアレルゲン、のような複数のアレルゲンのグループに対してこの検査を行います。ですから、検査をする前に、「どんな時にどんな症状が出たか」「何を食べた時か」「何をしたときに症状が出たか(例えば「食事の後に駅まで走った」など)」等の状況がわかる情報が多いほど、検査を絞り込むことができます。タンポポがあやしい、とか、ニンジンがあやしい、とか、豚肉があやしい、とか、あまり一般的ではなくても、原因らしいものが絞り込めている場合は、それについての血液検査が可能なこともあります。
このほかには、針で皮膚にほんの少量のアレルゲンを入れて、腫れる・赤くなるなどの反応が実際に患者さんの皮膚で起こるかどうかを観察するテスト(プリックテスト)もありますが、GPでは行っていません。この検査が必要な患者さんはアレルギークリニックなど専門医を受診することになっています。これは日本でも同様です。
個別のアレルゲンの識別方法ではないですが、IgE全体の量としての総IgEが増えているかどうかや、白血球の中の好酸球数が増えているかどうかもアレルギーがあるかどうかの参考になります。また、気道のアレルギー性炎症の有無や度合いをみるのには、呼気NO検査も使えます。