英国・グリーン通信


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2012年10月23日 (火)

「体重管理」 in GB その2

「運動を始めたのですが、なかなか体重が減らないんです。」という話を診察室のみならず、日常生活の中でもよく伺います。運動をした後、体重計にのり、昨日は1kg減ったと喜んでいたのに、今日は戻ってしまっている、とがっかりされた経験はありませんか。今日の運動が少なかったのか、あるいは今日食べたあの食事が悪かったのか等考えたりしませんか。実際このような体重変動はよくあることなのですが、本当に一日で太ったり、やせたりするのでしょうか。

答えを探していくために、何回かに分けて、カロリーの消費について考えていきましょう。以前の英国・グリーン通信、「体重管理」in GBで、体に入ったエネルギーが使い切れない場合、太っていきますというご説明をさせて頂きました。摂取量より消費量が少ない場合、余ったエネルギーは脂肪になり、体に蓄えられ残ります。太らないためには、摂取カロリーを減らすことが大事とご紹介させていただきましたが、消費カロリーを増やすことももちろん重要です。

消費カロリーは基礎代謝、食事誘導性熱代謝、生活活動代謝の3つの要素からなります。基礎代謝は、生命を維持するために最低限必要なエネルギーのことで、例えば呼吸をしたり、心臓を動かしたりするために必要なエネルギーです。消費カロリーのうち約60-70%が基礎代謝と考えられています。この基礎代謝は年齢、性、個人により違います。女性は14歳、男性は16歳をピークにして、基礎代謝は落ちていきます。残念なことですが、若い頃と同じ量を食べていると、太っていく理由はここにあります。年齢、体格、食事、生活スタイルも同じなのに、太る人と太らない人がいる理由は、この基礎代謝に依存しています。食事の吸収効率の差によることもありますが、基礎代謝が高いと、消費カロリーは高くなります。車では燃費が悪い、電化製品では消費電力が高い、環境にやさしくない、といことになりますが、人では太りにくく、うらやましい体質でしょうか。
次の食事誘導性熱代謝は食事をしたときに消費するエネルギーで、消費カロリーの約10%を占めます。残りの20-30%が生活活動に伴うエネルギー消費となります。運動をして消費カロリーを直接的に増やすということは、この生活活動代謝を増やすことになります。
では、どの程度の運動をすると、体重が減っていくのか、次回、生活活動代謝を中心に御紹介させて頂きます。

以下の厚生労働省のホームページ、「生活習慣病を知ろう」におきまして、上記内容に関連した情報提供がございます。

http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/seikatu/ 


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