英国・グリーン通信


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2013年2月26日 (火)

乳がん検診 -マンモグラフィーと超音波-

乳がん検診を受ける際に、マンモグラフィ検査と超音波(エコー)検査のどちらを受けたほうがよいか迷われる方は多いかと思います。今回はこの二つの検査の違いについて簡単にお知らせしましょう。

マンモグラフィは、乳房専用のX線検査で、乳房を圧迫しながら撮影します。人によっては多少の痛みを伴うことがあります。触診では見つけることができない小さなしこりや、乳癌の特徴の一つである微細な石灰化(乳管内のがん細胞によるカルシウム沈着)を映し出す事に優れています。乳房が大きく超音波の適切なスキャン範囲におさまらない方や、閉経後に乳腺が萎縮し脂肪に置き換わっている方などに適しています。妊婦、豊胸術後、心臓ペースメーカー埋め込み術後、授乳中の方は受けることができません。また、若い人では、乳腺そのものが発達しているため、白っぽい画像しか撮れず、乳がんを見つけるには適さないことがあります。

超音波(エコー)検査は、人間の耳には聞こえない音を機械から発し臓器からの反射を画像にした検査です。乳房にゼリーを塗って乳房の内部の様子を観察します。X線検査とは異なり、繰り返しスキャンできることやマンモグラフィを受けられない方でも受けることができるという利点があります。マンモグラフィでは正確な診断をしづらい若い女性(乳腺が発達しているため)や乳房の圧迫に耐えられない方などに適しています。しこりのサイズ、中の状態や広がり具合、良性か悪性を見分けるのに利用します。しこりをつくらない乳がんを発見しにくい、良性の可能性が高い所見でも受診者の不安を招く可能性があるという点などには注意が必要です。

2つの検査はそれぞれに特徴があるため、より正確な診断を行うためには、どちらか一方を行うよりは併用する検診が勧められます。日本の乳癌検診は40歳以上の女性で2年に1回のマンモグラフィを行っていますが、イギリスのNHSでは50歳を過ぎた女性に3年毎に行っています。少なくとも53歳までには初回を受けるよう勧めています。自己触診とあわせ、定期的な検診をお勧めいたします。


参考;

NHS cancer screening program: http://www.cancerscreening.nhs.uk/breastscreen/

日本乳癌学会ホームページ: http://jbcsfpguideline.jp/

注意;がん検診の有用性に関しては、臓器により国際的な認識の差異がありますので、お住まいの地域の一般的認識をご確認のうえ、最寄の医療機関へご相談いただく事をお勧め致します。


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