英国・グリーン通信


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2014年12月24日 (水)

インフルエンザと風邪の違い 

(2012年掲載分を再掲載)

寒さが厳しくなり、空気も乾燥し、風邪やインフルエンザが流行する季節となりました。今回は、風邪(普通感冒)とインフルエンザの違いについて大まかな説明を致します。

「風邪 in UK」でもお知らせしておりますが、風邪(普通感冒)を引き起こすウイルスには、ライノウイルス、コロナウイルスなどをはじめとして、200種類以上のウイルスが知られています。一方、インフルエンザは現在では主にA,B,C型の3種類のウイルスが知られています。一般的に、インフルエンザと呼ばれる病気を引き起こすのはA型とB型の2種類です。
風邪の症状は鼻水、くしゃみ、鼻づまり、喉の痛み、咳などの局所症状が主体で、その他に微熱、耳痛、倦怠感、頭痛などを認める場合もあります。基本的に発症はゆっくりで症状は軽く、1日か2日以上続いて数日で軽快しますが2週間ほど続く場合もあります。
インフルエンザの場合は感染後1日から3日程度の間に突然の38度から40度の高熱、頭痛、関節・筋肉痛、悪寒、発汗、全身倦怠感、気分不良などの全身症状を認め、1週間から10日間以内に治ります。感染後期には鼻水、乾いた咳、くしゃみなどを認めることもあります。インフルエンザのほうが発症が急激で、症状が激しいのが特徴です。
いずれの病気も、一般的には、充分な水分と栄養の補給、十分な休養、丁寧なうがい・手洗い、加湿器の使用などによる粘膜の保護などが予防法とされています。日本ではマスクの着用は一般的ですが、欧米では病院などの限られた空間での使用に限られることが多く、世界的には賛否両論があるようです。インフルエンザ治療は特効薬として抗インフルエンザ薬が、広く知られていますが、風邪(普通感冒)は対症療法が主体です。普段健康な方であれば安静と栄養及び水分補給で、自然に良くなります。しかし、いずれの病状においても、糖尿病や喘息などの持病をお持ちの方、小さいお子さんや高齢の方などは、体調の更なる悪化に至ることことがありますので、症状の速やかな改善を認めない場合は、最寄の医療機関へご相談ください。

ちなみに、イギリスでは、風邪(普通感冒)は「Cold」、インフルエンザは「Bad cold」と認識され、いずれの病状も基本的には自力で治るものとされており、従来、自宅での初期対応が推奨されています。欧米では、日本ほど、抗インフルエンザ薬は汎用されませんので、イギリス生活に不慣れな方の予備知識となさって下さい。

最近イギリスでは、感染力の強いインフルエンザに対し、ワクチンの全ての子供たちへの接種に関し、政府関連機関による検討がなされている模様です。詳しくは以下のホームページをご覧下さい。

http://www.nhs.uk/Livewell/coldsandflu/Pages/Isitacoldorflu.aspx


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