アレルギー相談室


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2019年12月28日 (土)

質問18:喘息の原因は血液検査でわかりますか?

喘息や咳喘息と診断されてから、原因を知りたいので血液検査をしてくださいとおっしゃる患者さんがいらっしゃいます。

喘息症状が、ある原因(アレルゲン)をきっかけに発症している場合、それをアトピー型喘息と呼び、その場合はアレルゲンを採血で探すことも可能です。多くの場合は、「犬(猫)を飼っている祖父母の家に遊びに行ったら発作が出た」というように原因と結果が明らかであったり、よくお話をうかがうとハムスターを飼っている等、疑わしいアレルゲンが存在していますが、最も多いのはハウスダスト・ダニによるアレルギーです。このようなアトピー型喘息は小児に多く、小児の場合はアレルゲンを避けることや環境整備が発作を回避するために重要になってきます。

一方、成人で新しく発症した喘息患者さんには、このようなアレルゲンがあるタイプの喘息はむしろ少なく、風邪やインフルエンザなどの感染や過労・ストレスがきっかけとなって発症するタイプが多くなります。このようなタイプの喘息を非アトピー型喘息と呼びます。アレルギー性鼻炎を合併している患者さんも多いため、アレルギー性鼻炎のアレルゲンを見つけることはできますが、このアレルゲンが喘息発作に直結するわけではありません。ただし、アレルギー性鼻炎のコントロールが良くないときには喘息も悪化してくることが多いため、鼻炎のコントロールに役立てるためにアレルゲンを探すということは無意味ではありません。風邪や過労をきっかけに喘息の咳が出るけれども、アレルギー性鼻炎など他のアレルギー疾患は無く、小児喘息もなかったという場合は、残念ながらあまり血液検査が有用とは言えないでしょう。


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