質問4:日本でスギ花粉症の出る時期にイギリスで飛んでいる花粉は何ですか?
もう自覚症状が出ている患者さんもいらっしゃいますが、この時期にはAlder(ハンノキ)の花粉が飛び始めています。大体1月から4月の終わりまで花粉を飛ばし、ピークは2月中頃から4月前半と言われています。ハンノキは日本でもほぼ全域にある樹木で、ちょうどスギと同じ頃に花粉を飛ばし始め、4月頃まで続いています。ですから、スギ花粉症、ヒノキ花粉症と診断されている患者さんの中には、実は元々この花粉にも反応している方もいらっしゃるでしょう。
ハンノキ以外に、1月から花粉を飛ばしている樹木に、Yew(イチイ)やHazel(西洋ハシバミ)があります。これらは4月終わり頃まで続きます。
もう少し経って2月半ばからは、Willow(ヤナギ)の花粉が飛び始めます。これは街路樹の中では見分けやすい樹なので、花が咲いているのに気付かれる方も多いでしょう。4月頃まで続きます。同じ頃にはElm(ハルニレ)の花粉も飛びます。
Birch(カバノキ)もAlder(ハンノキ)と同じカバノキ科の樹木で、これは3月から6月頃まで花粉が飛びます。北海道に住んでいらっしゃる方にはシラカンバ花粉症の方も多く、これはBirchの一種ですから、イギリスでも全く同じに花粉症が出ます。
街中に樹木が多く緑に眼が癒やされるイギリスですが、樹木の花粉もたくさん飛んでいると言うことになりそうです。地面が土であればいったん落ちた花粉はそのままなのですが、アスファルトや石の路面では、何度も舞い上がりなかなか花粉の量が減りません。さらにディーゼル粒子やPM2.5などによってアレルゲンに感作されやすくなることもわかっています。
季節の花粉については、Met Officeの花粉カレンダーを参考にしてみてください。これからの季節は、天気予報の花粉情報にも注意するようにしましょう。
https://www.metoffice.gov.uk/health/public/pollen-forecast