アレルギー相談室


« 質問11:雨が降ると花粉は減るはずなのに花粉症や喘息が悪化するのはなぜ? | メイン | 質問13:イギリスに来た年にはスギ花粉症が無く楽だったのに、2年目からは悪化しました。なぜでしょう? »

2019年6月27日 (木)

質問12:蕁麻疹が治るのにはどのくらいかかりますか?原因は血液検査でわかりますか?

蕁麻疹の治療の目標は、「薬を使わずとも2度と蕁麻疹が出ない体になること」ではなく、「十分に症状を抑制すること」です。ですから、薬を飲むことで蕁麻疹が出ない日ができるまでに数日から1~2週間、出ないまま気にしないで生活できるようになり更に減薬・内服終了できるまでには半年から1年かかる場合もあります。1種類の抗ヒスタミン剤で効果が不十分であれば、薬を変えたり増量したりしながら治療していきます。

蕁麻疹は最初に出始めてから6週間経つと「慢性蕁麻疹」、それ以前は「急性蕁麻疹」と呼ばれます。皮膚をこすったり冷たい物に触れたりアレルゲンを含む食物を食べたり等の刺激無く、いつのまにか皮疹が現れるタイプを「特発性蕁麻疹」と呼び、この呼び名は急性と慢性の両方を含んでいるのです。そしてこの特発性蕁麻疹が、全ての蕁麻疹の70%以上を占めます。

原因になる食べ物を摂取したことで出現する蕁麻疹は、「刺激誘発型の蕁麻疹」のひとつで、アレルギー性のものと非アレルギー性のものに分かれます。原因になる物を食べて出るのであればそれはアレルギーなんじゃないの、と思われるでしょうが、そうともかぎりません。青魚やアクの強い野菜を食べて出る蕁麻疹は、その食べ物自体に対してのアレルギー反応ではなく、その食品中に含まれるヒスタミンなどの物質が作用することで蕁麻疹が出てくる仕組みですから、アレルゲンを確認する血液検査では陽性になりません。またこういう食べ物は、体調によっては蕁麻疹が出ることなく食べることができたりもします。アレルギー性の蕁麻疹ではアレルゲンがIgEを介して反応を起こす、花粉症と同じような仕組みで起こりますので、血液検査などで原因を突き止めることも可能です。ただし、蕁麻疹全体の1割もないと思われますので、明らかに疑わしい食べ物がある時以外はわざわざ検査をする必要はないでしょう。

一般的な蕁麻疹は翌日にはいったん消えることが多いのですが、瞼や唇によく起きる血管性浮腫という分類の蕁麻疹は、消えるのに数日かかることがほとんどです。血管性浮腫や血管炎など、稀なタイプの蕁麻疹はアレルギー検査以外の血液検査を行うことがあります。


このページのTOPへ

JGH
(C) 2012 Japan Green Medical Centre